みなさんは、森林保護活動と聞くとどのような活動を思い浮かべるでしょうか?
日本人がパッと思い浮かぶのは、植林でしょうか。
小学生などが苗を植えているニュースがとりあげられる事も珍しくありませんし、
有名な絵本「気を植えた男」のイメージ等もそれを手伝っているかもしれません。
しかし現実の森林保護活動では、植林をして森を増やすことよりも、
現存している森林を破壊や山火事や洪水などから守る、
という運動に重きをおいていることが多いようです。
そして欧米では、そのような森林保護活動において、
IoTの活用が既に始まっています。
中でも熱心にIoTの活用を進めているのがアメリカです。
アメリカの広大な森林地帯は国土の3割を占めますが、
気候変動や大気汚染、生態系の変化や乱開発など様々な問題に直面しています。
そのためアメリカでは農務省の傘下に森林庁(United States Forest Service)が
設置されています。問題の深刻さと、それに対する意識の高さが伺えますね。
そんな森林庁にて、IoTを保護活動に活用する「スマートフォレストプロジェクト」が
2015年3月からスタートしています。
森林に設置された無線センサーネットワークで収集するのは、気候や大気の状態、
水質、二酸化炭素、動植物の画像・音響など。
このようなデータを分析して、森林保護に役立てます。
また、それらのデータを使用し火事や洪水、干ばつなどに対して
早期警告システムを今後整備していく予定のようです。
このスマートフォレストプロジェクトでは、各種センター、電源、データロガー、
センサーから基地局までの通信システム、インターネットに接続された基地局などの
設置が進んでいます。
これらの装置の電源は、独立した太陽光発電システムなどを使用しているそうです。
スペインでも、森林へのIoT活用の動きがみられます。
人口5万人の郊外の街、ガローチャ。
この街は森林が多い事から山火事のリスクがとても高いため、
その防止を目的にIoTを導入しました。
樹木などに温度、湿度、二酸化炭素、一酸化炭素を計測するセンサーノードを設置して、
それらの情報を分析して火災が起きているかどうかを判断します。
写真を見ると、こちらの装置にもソーラーパネルがついていますね。
今後自然環境においてのIoT活用には太陽光発電は
なくてはならないものになっていくのかもしれません。
森林だけに限らず様々な自然保護活動にこのようなIoT活用が進むことで、
かけがえのないこの地球の自然が守られていくといいですね。
(via 日経テクノロジーオンライン)