tourobokun01 「東ロボくん」というロボットをご存知でしょうか。
東大入試を突破することを目標に国立情報学研究所が開発を進めてきた人工知能です。
2011年から6年間の受験生活(?)をし、
先のセンター試験模試では5教科で総合偏差値57.1まで成績をのばしていましたが
このままいっても東大受験突破は無理という判断になり、
東ロボくんは一度東大合格を諦める事になりました。

もともと、2021年度での東大入試を目指していた東ロボくん。
何故そのような結論に至ったのか。
原因には、今後の人工知能の課題が詰まっていました。
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(via 21robot.org)

東ロボくんの記録した総合偏差値57.1点というのは、
MARCH、関関同立や複数の国公立大学に合格する実力。
しかし、東ロボくんには決定的に足りないものがありました。
それは、読解力です。

短い一文の空欄になった一部を穴埋めするような問題は、
東ロボくんは自分の中にある過去のデータと照合し、
問題文に出てくる単語とそこに同時に現れる確率の高い単語を引っ張ってくるので
彼にとっては得意分野。

しかし、ストーリー性のある物語の理解や、
小学生でもできる常識的な受けごたえができないのです。
人工知能は表面的な単語の並びを見て処理をしているため、
文章の細かな意味はわかっていないのです。
他にも、計算能力は抜群なのに問題文から計算式を作るといことができないなど、
意味を捉える、という分野が苦手なことがわかってきたのです。
このまま開発を進めても、その点を突破できないということになり、
東ロボくんの開発は一度凍結されることになりました。

果たして東ロボくんは苦手分野を克服しまた東大受験に挑む日はくるのでしょうか。
もしも東ロボくんを始めとする人工知能が「意味」を理解する日が来たら、
人間はどうなってしまうのでしょうか。
楽しみのような、怖いような…

(via DAIAMOND online)