最近、雑貨屋さんなどに行くとインスタントカメラが置いてあることが増えてきました。
どうしてだろう?と調べてみると、デジタルな写真しか知らない世代が
「現像するまでどんな風に写っているのかわからないなんて面白い!」
と感じるそうで、人気が再熱しているのだそうです。
なんとも面白い現象ですね。
現像して紙として持ち歩ける、というのも人気の理由のひとつだそうですよ。

カラー写真が一般過程へも普及したのが、大体昭和50年代に入ってからだそうです。
それ以前は、写真と言えば白黒写真でした。
カラー写真を見慣れてしまっていると、
白黒で写された世界はあまりにも遠い昔のように感じられて、
そこで人々の営みがあったという実感が希薄になってしまう感じを覚えるのは私だけでしょうか。

そんな白黒写真から当時の様子を詳しく知る方法に、
白黒写真をカラーにする、というのがあります。
色がつくと一気に現実味が出て、生き生きをした雰囲気になります。
なんとこの技術、今までは人の手でひとつひとつ着色が行われていたそうなんです。

しかし今年の4月、早稲田大学の研究チームが
白黒写真をディープラーニングによりカラー画像へと自動変換する論文
というものを発表しました。
deep01 研究チームのサイトでは、実際に白黒写真をカラーに変換した画像が公開されています。
いかにも色を載せました!という感じではない、自然な着色ぶりが素晴らしいですよね。
人工知能に膨大な量の白黒写真とカラー写真を学習させた情報を利用していると思うと、
そんなところの色まで気づいてくれるのか!と感動してしまいます。

そして先日、この技術のデモ実装版を試せるWebサービスが公開されました。
カラー写真をアップすると一度グレースケール化し、
その後ディープラーニングによりカラー化した画像を出力してくれます。

試しにやってみる事にしました。
誰でも知っていて、色もわりと単純なこちらの東京タワーの画像を選択しました。

元画像… deep02 グレースケール後… deep03 カラー化結果… deep04
なんだか、映画「ALWAYS〜三丁目の夕日〜」のような仕上がりになりました!
まるで出来上がったばかりの東京タワーを見上げているかのようです。

どうやらカラー化する際に得意な画像、不得意な画像があるようですので、
色々と試してみてどのようなものが得意なのか調べてみるのも面白いかと思います。
また、実家などに本物の古い白黒写真があったら是非このサービスで
カラー化させてみてください。
写真の持ち主や、当時を知っている人に見せたら凄く感動してくれるかもしれませんよ。

(via siggraph2016_colorization)