オーストラリアのメルボルンで、木と市民がメールのやり取りを始める、
というSFのような、しかしほっこりするような珍事件が起こったそうです。

7f4b08e9e86bb023c58e194fce4506ca_s 事の始まりは、公園の木それぞれにメールアドレスを割り振ったことでした。
公園を訪れた人が痛んだ木や枝が落ちる危険がある木を見つけた際に、
管理担当者に簡単にそれを知らせるため、木それぞれにメールアドレスを与えたのだそうです。

確かに、危険な木を見つけたあと管理事務所に電話して…場所を知らせて…状態を知らせて…
という手間を考えると、知らせる方も管理者もメールのほうが気楽で、かつ効率的ですよね。

d80de6c9496835ece101eb482d6b2918_s しかし…ここで予想外のことが起きてしまいました。
木それぞれにメールアドレスが割り振られていることに気づいた市民から、
管理者宛ではなく、木そのものに当てたメールが届くようになってしまったのです。

木の健康状態を案じるものから、私的な相談や、その美しさを讃えるラブレターまで。
その数、なんと数千通。

この事態を受けて、やがて木から返信が送られるようになりました。
もちろん木には残念ながら人格はありませんので、
木の管理者、いわゆる「中の人」がその木の代わりになって。

9ae0f9b1be7e1155faacfd09c4854718_s そして、このメルボルンでの出来事は国を超えて影響を与え始めました。
現在、ニューヨークでも木にメールアドレスを!という提案が市議から出されているのだそうです。
こちらは木の危険を知らせる通報用ではなく、初めから市民との対話用として考えられているとのこと。
しかし、いざ「対話用」と言われるとなんとなくメールを送るのを躊躇ってしまうような気がするのですが、
ニューヨーカーはそんなこと気にしないのでしょうか。
いずれにしても日本でもこんなユニークな試み、広がっていくといいですね。

メルボルンの事例は公園の管理者が返信をしていますが、
いずれ木のIot化(!)が進み、人工知能でこちらの問いかけに返してくれたり、
その木の前を通ると木から私たちのスマホへメッセージが来たりするようになったら、
散歩がより一層楽しくなるのでは…とこの話を聞いて思いました。
Iotは生活を便利にすることはもちろんですが、このような「日々を少しだけ豊かに」してくれる、
思わずクスッとするようなものにも沢山使われていくといいですね。


<<参考URL>>
http://japanese.engadget.com/2015/07/13/treemail/
http://www.gizmodo.jp/2015/11/give-nyc-trees-email-addresses.html